
新型コロナウィルスの影響でテレワークが推奨されておりますが、Web上で受注からデータの納品まで行うフリーランスのデザイナーであるワタクシは「使った分だけ料金がかかるテレワーク社員のようなモノ」です。
デザイナーをテレワークで雇用する為、仕事ができる環境を整備するために必要な機材と費用、環境の維持費について紹介していきます。
- テレワークのデザイナーに必要な設備と費用
- フリーリーランスデザイナーの設備
- デザイナーのテレワーク環境の維持費
デザイナーはテレワークしやすい職業ではあると考えますが、環境を整備するために必要な設備やアプリケーションがありますので給料以外にもそれなりに費用がかかります。
家にデザインを制作する上で必要な環境が全く揃っていない状態からテレワークでデザインの業務をこなすコトができるためにかかる費用は最低限でも1年間で37.8万円かかるコトになります。
デザイナーをテレワークで雇うためには主にパソコンと環境を維持する為の費用がかかってきますので、費用を考えていきます。
- デザインに必要なパソコンと機材の費用
- テレワーク環境を維持する為の費用
- テレワーク環境で導入すると便利なモノ
デザインに必要なパソコンと機材の費用
デザインに必要なパソコンと機材は一旦買ってしまえば、維持費がかかかりませんがソコソコの初期投資が必要になってきます。
デザインはMacでもWinでもOK
デザインに必要なパソコンですが、大昔はMacでないと対応していないアプリケーションがありましたが、2020年現在では正直、Windowsでもデザインに必要なアプリケーションが対応しておりますのでデザイン制作は可能です。
新品のパソコンの価格で言うと、同じような性能であるならばWinのほうが安いのではないかと考えますが、ワタクシは昔から買い揃えたフォントがWinだと使えなくなりますので、Macを利用しておりますのでMac前提でお話しを進めます。
DTPもそこまで高性能である必要はない
ワタクシは仕事が物凄く早くなるのではないかと考えて、お試しでDTPをするにはオーバースペックのパソコンを使用しておりますが、DTPをするには正直2020年の最高スペックレベルのパソコンは必要ありません。
DTPに必要な性能は昔からあまり変わりませんが、パソコンの性能はどんどんあがっておりますので、デザインを作るために昔は最高ランクのパソコンの方が効率が良かったですが、現在はソコソコのパソコンで良いと言えます。
ワイドモニターの方がデザインしやすい
デザインで使用するモニターは4:3の通常の比率のモニターでも仕事ができないコトはありませんが、デザインの制作効率を考えるとワイドモニターの方が良いと言えるでしょう。
テレワークデザイナーにおすすめなパソコン
パソコンは性能によって価格が大きく変わりますが、ワタクシの感覚ですと2015年頃に発売された中古iMacにメモリを32GB載せれば十分ではないかと考えます。
現在はiMac ProというDTPではオーバースペックなパソコンを使用しておりますが、2017年の年末まで、ワタクシは2011年頃発売されてメモリが16GBのiMacを使用しており、普通に業務がこなせておりました。
因みにWebデザインならばDTPよりも画像データが小さいのでもう少し性能を落としてもOKと考えます。
中古Macは買い取ったあとのお手入れは知識のある専門店で考えた方が良いと言えますので有名どころが「秋葉館」というお店になります。
外付けHDDは2台以上が良い
デザインで使う画像のデータはワードやエクセルのデータと違って、一つ一つのファイルの容量が大きいのでパソコンのハードディスクだけではすぐに容量がいっぱいになってしまいますので、使わなくなったデータを逃す外付けハードディスクが必要になってくるでしょう。
パソコンが調子悪くなった時や壊れてしまった時、進行中の案件を抱えたままパソコンが壊れると被害額はハードディスク1台分以上となりますので、保険としてバックアップ用のハードディスクもあった方が良いので準備しておいた方が良いです。
Thunderboltのハードディスクは値段がかなりお高いのでテレワークの環境を安く抑えるのであればUSB3.0の転送速度でOKです。
パソコン内のデータを逃す外付けHDD
iMacの容量は購入時に増やしたりするコトはできますが、iMacは基本的に500GB〜1Tくらいの間のモデルが多いのでしばらく使っていれば容量がいっぱいになるコトもあります。
バックアップ用の外付けHDD
Macの場合「Time Machine」というアプリケーションがあって、外付けHDDに丸ごとパソコンのデータをコピーして、パソコンが壊れた時には条件が多少ありますが別のパソコンに丸ごとデータを移すコトができます。
Time Machineがあれば「制作中のデータをひとつ前のバージョンの戻すコト」も簡単ですので、すごく便利なアプリケーションと言えるでしょう。
テレワーク環境を維持する為の費用
パソコンと外付けハードディスクを用意しただけではデザインの仕事ができるわけではありませんし、テレワークをするにはインターネット環境も必要になってきますね。
パソコンと機材以外で必要なモノ
インターネットは既に引いている方も多いかもしれませんが、デザイナーのテレワーク環境を整えるためには「それなりに速度のあるインターネット回線」、「デザインに欠かせないAdobe CC」、「フォント」が必要になってきます。
テレワークにインターネット環境は必須
ワードやエクセルのデータとは異なりデザインの画像データはファイルの容量がそれなりに大きいので、インターネット回線のスピードもそれなりに早いモノが必要になってきます。
高速Wi-Fiルーターは光回線と比較すると遅いと考えますが、一応仕事をするコトができる速度はあったりしますが、データの転送量が多いと速度制限がかかったりしますのでご注意ください。
今後テレワークする人が増えてくると人が多い回線は遅くなるのではないかと考えておりますが、関東ならNTT系列から少し外れた「NURO光」や「au光」あたりのインターネット回線が安全と考えます。
デザインに欠かせないAdobe CC
パソコン上でデザインデータを作るためにはイラストレータやフォトショップが必要になると言えますが、2020年現在では「Adobe CC」というAdobe系列のアプリケーションが一つになったモノを月額契約する必要があります。
イラストレータやフォトショップを単体で契約するコトも可能ですが、両方単体で契約するのとAdobe CCを契約するのでは料金に大差がなく、Adobe CCはデザインに必要なアプリケーションが多く含まれておりますので、Adobe CCの方が良いと考えます。
デザイナーはフォントが実はお高い
フォントもデザインを作るためには重要な要素となりますが、最近のフォントは買切りではなくAdobe CCと同様に年間契約のモノが多いです。
デザインで良く使う、モリサワ系のフォントは年間49,800円、LETS系のフォントは36,000円、ダイナフォントは6,800円か41,500円と、それなりに高額ですので色々フォントを利用するとパソコン以上の価格となりますので厳選した方が良いと言えます。
テレワーク環境で導入すると便利なモノ
「デザインに必要なパソコンと機材の費用」と「テレワーク環境を維持する為の費用」で挙げたモノはデザイナーがテレワークで仕事をする為の最低限の環境で、更なる効率化を図るために導入すると便利なモノが色々とあります。
デザインであると便利なモノ
テレワークでデザインを作る上で必須ではないですが、会社として動くのであれば導入した方が便利なモノも結構あります。
デザイン確認用のプリンター
プリンターは必ずしも必須ではありませんが、制作物を作ったら印刷して確認した方が文字のミスなども減りますし、画面上の色と印刷した色は結構違いますので色味の確認に便利です。
デザイナーが共通で使える素材サイト
デザインを作る上で素材サイトを利用するコトは高いクオリティでの紙面作りや効率化を図る上でかなり便利ですので、導入すると良いと言えるでしょう。
私のようなパチンコ業界特化だと海外素材も扱っている素材サイトを利用しておりますが、素材サイトは色々とあって、日本人の写真や日本のデザインに強い素材だと「PIXTA」が圧倒的と考えます。
デザイナーのデータを保管する場所
デザイナーが作ったデータはデザイナーの元だけで保管すると万が一の時、データが消失する可能性がありますので、終わった案件は一箇所に集めて保管しておくと良いですね。
自社サーバーを用意するのが費用的に安いですがサーバーを管理するためには知識が必要になってきますので、クラウドストレージの利用などを検討するのも良いと考えます。
Webカメラやチャットアプリは効率が落ちるので注意
テレビ番組で紹介されているテレワーク環境だとWebカメラを全員が用意して繋ぎながら仕事をしているシーンをみかけますが、デザイナーに関しては成果物次第ですのでWebカメラやチャットアプリはあまり必要ないと考えます。
チャットは文字打ちが早くても、返信するたびにちょこちょこ作業が中断されますので効率化を考えると、制作の内容確認と期限の確認をメールや電話で行うのが効率が一番良いと考えます。
あくまで単独のデザイナー視点ですので、デザイナー+他部門で考えるならばWebカメラやチャットアプリなども有効な場合もあります。
テレワークデザイナーの雇用と外注
テレワークでデザイナーを雇うには機材を用意して、自宅の環境も整えないといけませんのでデザイナーの給料以外でそれなりの出費も毎月かかるコトになります。
テレワークデザイナーの環境にかかる費用
デザイナーが使う最低限のパソコンと機材を用意して、テレワークができるようにするため必要な機材と費用を見ていきましょう。
最低限テレワークに必要な環境
パソコンとハードディスクは買い切りですが、環境を維持するために必要な他は月額や年間払いですので、「デザイナーをテレワークで1年雇うために必要な費用」としましょう。
- 安めの中古パソコン…15万円
- 外付けHDD 2台…2万円
- インターネット環境…月額5,000円(年間6万円)
- Adobe CC…月額3,980円(年間4.8万円)
- フォント…年間10万円程度
効率よくデザインを作るためにあると便利なモノ
デザイナーにとって効率的に業務を進めるためにあると便利なモノを追加するともう少しかかりますね。
- デザイン確認用プリンター…1万円
- 素材サイト…月額16,500円(年間19.8万円)
制作物が少なければアウトソーシング
デザイナーをテレワークで雇うには、最低限の環境である37.8万円に加えて、給料を出さないといけませんが、テレワークで仕事ができるデザイナーは一通りの業務を一人でこなせないといけませんので、「実務経験があるデザイナー」でないといけないと言えるでしょう。
実務経験のあるデザイナーを探すコトもそれなりに難しいく募集しないといけないとなると求人広告の費用もかかり、安い給料だと集まりが悪いのでソコソコの給料も必要になってくると言えます。
フリースタイルで提示しているデザイン料金で換算するとチラシ1枚あたり1.5万円ですので、270万円分のデザイン料金で計算すると年間180枚、月間15枚のチラシをデザイナー一人に作ってもらってようやくプラスマイナス0というコトになります。
制作物が沢山あればテレワークでも機材や環境の費用を上回るメリットがありますが、制作物が少なければアウトソーシングの方が良いというコトが言えます。